「フィギュア17」アフレコ取材 #5

第13話(最終回)アフレコ取材

4月末日、都内スタジオにて行われた「フィギュア17 つばさ&ヒカル」の最終回が収録
されているアフレコ現場を訪れました。
ロングシリーズで展開してきた「フィギュア17」ですが、ふりかえると第1話のアフレコ
から1年も経過しているんですね。
実は物語もほぼリアルタイムで、つばさ達の1年間の生活が描かれてきたのですが、
北海道に引っ越してきて、ヒカルと出会い、いろいろな経験をしてきたつばさの姿を見続け
ながら、その姿からたくさんの事を教えてもらった事をあらためて実感しました!

最終回は、どんな結末を迎えるのか、非常に気になるところですが、キャストのみなさんにも
この作品を振り返っていただき、感想などを聞いてみました。


>>>この作品を振り返って・・・。



釘宮理恵さん
(沢田美奈役)
今回の役は小学生の意地悪な女の子という事で、毎回、ちょっとずつトゲのある言葉を言ってきたんですけれども……とても、たのしかったです。
私のキャラクターはちょっと意地っ張りで、あまり自分の気持ちを素直に出せない女の子だったんですけれども……一度は、みんなと素直に遊んでる姿なんかを見たかったです。
お疲れさまでした。ありがとうございました。



加藤優子さん
(日比野先生&
 萩原健太役)
先生は、ほんとにみんなをいつも暖かく見守っているという感じで、私としては非常に楽しく演らせていただきました。
健太は、最初はちょっとくせがあるのかな、と思ったんですけれども、意外と心豊かな子で、「あ、こういう子、居たな」と学生時代を振り返ってみてしまいました。
二役やらせていただいて、ありがとうございました。



本田貴子さん
(小川真二役)
一番ふつーな小学生を演らせてもらったと思います。
活発でもあり、素直でもあり、ちょっと意地っ張りでもあり……ほんとに楽しかったです。芝居を演っている中で、クラスのみんなと楽しく会話したり、遊んだりしたなと思います。
ほんとにお疲れさまでした。



鶴野恭子さん
(相沢翔役)
私は、最後に翔君があんな事になるとは知らなかったものですから、ほんとに台本を読んで驚きました。逆に、自分が一番ショックだった所もあって、これで良かったのかなと、最後の回などはすごく考えてしまったんですけれども……。翔君の気持ちを、どこまで表現できたのか、すごく考えてしまったりするんですが、この作品でこの役と出会えて、考えさせられる事が色々とあり、大切な作品になったなと今、思っています。
お疲れさまでした。ありがとうございました。




高野直子さん
(伊藤典子役)
つばさ・ヒカルと仲良しな女の子の役だったんですけれども、一年間を通して、キャンプでカレーを作ったりとか、釣りをやったりとか、とても楽しくて、自分の子供の頃を沢山思い返させてもらいました。
私も小学校の頃に4回ぐらい転校した事があったので、今日収録の最後のシーンで、その頃の事とかを思い出してしまいました。
すごく素敵な作品に出させていただいて、ありがとうございました。



堀江由衣さん
(茨木サクラ役)
丁度、お母さんとかに反発をしたくなるような年ごろの女の子の役で、振り返ってみると、お母さんと喧嘩をしてしまったりとか、ついつい余計な事を言ってしまったりとか、その頃の自分を見ているようで、とても恥ずかしいんですが、それだけに思い入れの深い役になりました。
お疲れさまでした。ありがとうございました。



小山力也さん
(D・D役)
この作品は本当に丁寧に作っていらっしゃるので、毎回毎回、長尺をやる意気込みで、演らせていただきました。自分でなかなか準備ができないので、歯がゆい所もあったんですけれども、マギュアがやっつけてもやっつけても出てくるので、8話目辺りには「これはまだまだ続くぞ!」と思っていたのですが、終わってしまいました。小鳥が多分リベルスだと思うので・・・(笑)、なんか更なる展開があったらいいなと思っています。あと、オルディナと星に帰るまでの間に、なんかロマンスがあったらいいなと思いつつ……期待しています。
ありがとうございました。



井上喜久子さん
(オルディナ役)
オルディナは性格的にはきついというか冷たい所がある役だったんですけれども、宇宙からやって来たのに地球の平和のために戦う姿は、私はすごく好きでした。
作品の中では絡んだりはできなかったんですけれども、小学生のみんなのシーンもすごく大好きで、月に一回、スタジオに来るのがすごく楽しみでした。ずーっと続けていたかったなぁ、と言う思いで、今いっぱいです。
「最終回、どうなるのかな」と、色々想像してたんですけれども、観終って、すごく大きな感動を覚えていて、ほんと、素敵な作品に巡り合えて幸せでした。
どうもありがとうございました。



佐藤政道さん
(椎名英夫役)
私は、この作品の中でつばさが、どういうふうに成長していくのかを見るのが楽しみで、この一年間やって来ました。
結局、英夫が、この北海道に来たのも東京に帰ってしまうのも、つばさの事を考えてと言うより自分の人生をまず第一に考えて来たからなんですけれども、最後につばさが言う台詞を聞いて、とても安心しました。わがままなお父さんでごめんなさいという感じだったんですけれども、あの台詞のひと言で全て、僕は救われたなと思いました。
このつばさが、二十歳とかになってどういう女性になっているのかなというのが、今、一番興味がある所で、この後お父さんは、どういう事になっていくのかちょっと判りませんが……お父さん一人で育てていくのか、別な事になっていくのか、そしてつばさが北海道で経験した事を、これからどういうふうに自分のものとして昇華して、成長していくのか、怖い気もします。色んな現実にぶつかっていくでしょうし、しかも東京という場所ですから。このまま北海道に居ればいいのにな、と思うんですが。
聞いた所では、北海道に転勤した事がある人は、定年後に北海道に移り住む事が多いそうですね。最初は、「北海道!? そんな所に飛ばされて……」と思うらしいんですけれども、北海道はとってもいい所らしいです。オープニングでもお花がいっぱい咲いてましたけれども、北海道では春になると今まで我慢してじっと耐えていた植物達が、一斉に花を咲かせるそうで、「四季を感じる」と北海道に行った友人が言っていました。これからつばさも花をいっぱい咲かせていくんだろうなと思いました。
後、私も翔君の出来事が、この1年の中で大っきな出来事でした。でも、10年足らずしか生きていませんが、あの子は、人の80年分は生きてるなっていう感じがして、あの子の人生をつばさがどういうふうに受け止めたのかっていうのも、とっても興味がある所で、それを10年後につばさどういうふうに整理して……もしくは整理できずに抱えていくのかな、ととても興味がありまして、続編を期待しております。
ありがとうございました。



折笠富美子さん
(椎名ヒカル役)
最終回という事で、もう、何だか、とっても寂しいです。
ヒカルが倒れた時のつばさを見ていて、何だか母のような気持ちになりました。「あ〜、成長したなぁ〜」とすごく思いました。
最終回で「あ、私は液体金属だったんだ……」と痛感しました。そして、みんなとつばさとのお別れのシーンで、「あ、忘れられてしまったのね」と思って、ちょっと寂しかったです。でも、つばさはきっと覚えていてくれると思うので、この作品を観ていた人も、この作品を忘れないで下さい。
色んな思い出ができた作品だったので、すごく楽しかったです。
おつかれさまでした。ありがとうございました。



矢島晶子さん
(椎名つばさ役)
役と同じように、ヒカルちゃんに――私にとっては富美子ちゃんなんですけれども、相棒に助けられてやってきたなぁ、と言うのをものすごく感じています。
作品も、結構自分の好み中の好みな作品で、ものすごく丁寧に作られているなぁ、と……景色にしてもそうですし、人間関係とかも変な端折り方とかもしてないし、そういう所が、映画っぽくて私は好きだなと思っていました。景色の色に、「得わぁ、ものすごく美しい! キレイ〜!!」とか思っていたら、マギュアの色が着くとものすごくグロくて気持ち悪くなって、今日はゲンゴロウみたいな奴が出てきていたので、あれは何色になるんでしょうか? 美しいのと両極端な世界が、ドーンと出ていて、世の中にはそういうふうに、コッチとコッチと逆なものは必ず存在するのね、とか思いながら、観てました。
つばさは、「どうせできないもん……」とか言って手を出さない所なんかは私とすごく似ているので、この作品の中での彼女の成長ぶりってのは、普通の人から見るとすごく遅いなと思われるかもしれないんですけれども……ちょっとずつちょっとずつ変わってきて、変わるかと思ったらまた戻っちゃって、みたいなところは、すごく作り話っぽくなくって、人間ぽくって、こういうキャラクターを演れて嬉しく思いました。
とっても楽しかったです。いつもいつもお父さんに気を使うのは、ちょっと疲れましたけれども(苦笑)。でも、これからは東京で、つばさの人生をやって行こうと思います。
ありがとうございました。


高橋ナオヒト監督 佐藤さんもおっしゃっていましたが、つばさってどんな大人になるのかな、と言うものは、私も最初から思い、描いてきたつもりです。
つばさにとってヒカルとは、母親のような存在である、と。母親が子供に与える事ができる愛情というか、他のものにはかわる事ができないその部分というものをつばさに託して、つばさはそれを受け取っていい大人になって行くであろう……という、そういう物語の最初の部分を――きっかけを描いた、という一年間でした。
他のキャラクタに対しても、あえて、全体を描くのではなく、その部分しか描かないという描き方で、オルディナ、D・Dを含め、描いてきました。本来ならば、オルディナ、D・Dは、子供たちとの日常生活で何かしら関わって……例えば、オルディナが学校の先生になるとか、そういう展開が、多分、アニメーションとしての面白さの普通のあり方だと思います。ただ、それをやらずに、ある面しか描かずに、純粋に、つばさ・ヒカルの二人の関係を深めていくという作りに徹したので、見方によっては、ちょっとバリエーションがない作品になってしまったと受け取る部分はあると思います。ただ、そうでなければ、この最終話に持ってくるだけの感情の作り方はできなかったし、つばさ・ヒカルを観ている人が最終的に「つばさがどんな大人になるのかな……。ヒカルって幸せだったんだよね……」と、いうことを表現する事はできなかったと思います。そういった作業に関わった絵のスタッフ、音響のスタッフ、そしてここにいる役者さんの方達にとても感謝しています。
こういう、ちょっと、普通だったら成立し得ないような作品作りをさせていただいて、大変幸せです。皆さん、ほんとにありがとうございました。



○『フィギュア17』最終回O.Aスケジュール○

・スカイパーフェクTV! AT−X
 5月26日(日)22:00より

・ テレビ東京
 6月26日(水)深夜2:35〜3:30
(最終回のみ、拡大版1時間スペシャルにて放送決定)



キャストの皆様、どうもありがとうございました。

キャスト トップページへ戻る